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鳥人間コンテスト事故・裁判問題。「自己責任」と言い切っちゃう人たち。
前略
「自己責任」という言葉は、いい意味でのみ使いたいですね。
の館長です。
「自己責任」をプラス思考でとらえますと、「全部自分の責任、ということは、逆に言えば全部自分次第で変えられる!」と思えるでしょう。
他人によって結果が左右されるのではなくて、あくまでも「自分」が主体となった事柄の責任所在――それがまさに自分にある、といういい意味で「自己責任」をとらえていきたいと思うのであります。
「自分で蒔いた種は自分(だけ)で刈り取れ」という意味での、突き放した「自己責任」を、ここ数年でよく見かけるようになった印象があります。
確かに、自分で蒔いた種を他人にだけ刈り取らせてはいけないとは思います。
ですが、(悪い)種を蒔いたのは自分でも、育つまでの間にいろんな人が介在して、(悪い)水をやったり、(悪い)肥料をやったり、そうやって大きな(悪い)事柄に成長することだってあるじゃないですか。
そんな場合のときまでも、種を蒔いた人に全部刈り取らせるのはおかしいと思うわけなのです。
先日から話題になっていました「鳥人間コンテスト事故・裁判」の問題。
あちこちで「自己責任」という言葉が飛び交っていましたが、僕は最初からそれらの「自己責任」には違和感を覚えておりました。
■ 鳥人間コンテストを提訴「落下の衝撃で動けない身体に…」
「事故後はほとんど体が動かず、いっそのこと死んでしまおうと思うほどの日々でした。でも、どうせ死ぬならと思い、九州から東京に出てきたんです……」と語るのは、川畑明菜さん(26)。07年7月29日、読売テレビ主催の『第31回鳥人間コンテスト』に出場した彼女は、人力飛行機で滑走中に左主翼が折れ曲がり約10メートルの高さから落下。その衝撃が原因で『脳脊髄液減少症』という後遺症を患うことになった。 ...
脳脊髄液減少症とは何らかの理由で脳脊髄液が減少し、頭痛や様々な全身症状が現れる疾患です。
脳脊髄液減少症特有の症状に起立性頭痛がありますが、必ずしも全ての患者に現れるとは限りません。
全身症状についても個人差が激しく、脳脊髄液減少症との因果関係が確証されていないものが数多くあります。
脳脊髄液減少症には治療方法があるため基本的には治る病とされていますが、現時点では研究段階にあり、不明な部分が多いというのが現状です。
■ 脳脊髄液減少症とは
問題の事故映像。
鳥人間コンテスト 2007 事故
以下、ネット上での「自己責任」を追及するコメントの一部。
墜ちる可能性や怪我する事考えてなかったのかよ、絶対に飛べると思ってやってたのなら自己責任だな
自己責任。テレビ局が作った物でケガしたのなら仕方ないがイベントを企画しただけでそれに参加して勝手にケガして訴えるとか完全に当たり屋レベル
スキューバやパラグライダーと一緒だろ。
危険性はわかってたのに進んでパイロットをやったんだから自己責任。
自己責任だろマジでw
自主的に参加しての結果なのに訴えるとかアホらしいわ
運が悪かったとあきらめろよ
これって参加者側の落ち度でしょ?自己責任の範囲だと思うけどな・・・機体に不安感じたのなら辞退すればよかったのに・・・
Twitterでのツイートも、多くがこうした「自己責任」を主張するものでした。
みんな、強いんだなぁ……というのが僕の感想。
「自分の蒔いた種」かもしれないけど、死にたくなるほどの後遺症に苦しむ人に、そんなふうに言えちゃうんですから。
それに、関係者を提訴すること、これは当然に与えられている権利を行使しただけのことじゃないですか。
日本国憲法第32条は、「何人(なんぴと)も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」と定めているじゃないですか。
憲法が保障する権利を行使しただけなのに、それをお門違いみたいに言う人たちって、いざ自分が当事者になったときにその権利行使を妨げられても文句は無いのでしょうか。
ご本人によるブログでの説明。
■ 【2007年・鳥人間コンテスト・事故・裁判】週刊誌「女性自身」様の取材を受けてきました
【裁判が今頃になった理由】 ・関係者に対し話し合いを 事故後から要望してきたが受け入れてもらえなかった →話し合いに応じてもらえないなら最終的には裁判で話すしかない →裁判は後遺症確定後5年以内にやらないと時効が成立して裁判ができなくなる →2014年3月が後遺症確定から5年(すなわち時効) ...
あと、こちらも
↓
■ 【鳥人間・裁判】「精神論」が通用するなら「裁判」も「規則」も「管理」もいらない
■ 【2ちゃん】重量オーバーだったんじゃね?疑惑
あと、余談だけど、訴えた人たちは お見舞いも事故検証も事故報告もないし全く話し合いに応じてくれない。
それに時効も迫ってるので提訴しました。後から後悔したくないし。
正直、話し合いに応じてくれれば提訴の必要もなかったし 裁判費用もかからないし、こちらとしてもある程度納得できる。
でも 「学生に責任は負わせられない(顧問)」 「責任はパイロットにある(幹部学生)」 で全く話し合いに応じてくれないのだからもう法定で話すしかない。
事故が起きてしまったこと云々よりも、その後の対応が悪すぎるんじゃないですか?
相手方に誠意があれば、この方だってこう言ってるのですから、裁判沙汰になどならずに済んだことでしょう。
過去に実際に「鳥人間コンテスト」に出場した人のツイートをまとめた「Togetter」で、多くの人がこのコンテストの実態を知ることができたようです。
■ 鳥人間コンテストの事故について、鳥人間の立場から考える - Togetter
鳥人間コンテストの事故について話題になっているので、鳥人間経験者の立場からいろいろ意見を述べました。実情を理解した上で建設的に見てくれる方が増えると良いなと思っています。鳥人間事故要点まとめ。ちゃんと作ったから乗ってくれ、と頼んだ側が何の責任も負わないのはおかしい。番組作るから飛んでくれ、と言った側が結果責任を負わないのはおかしい。パイロットは裁判に勝っても後遺症がなくなるわけではないので責任は負っている。
— 大貫剛(野生) (@ohnuki_tsuyoshi) June 22, 2013
今更だが一応言っておくと、僕は元鳥人間チームのリーダーであり、パイロットに怪我をさせる可能性のあることをしていた側。現に、僕自身の製作ミスで機体は墜落し、パイロットの @kazuhito を危険な目に遭わせた。その立場で言う。自分で作って乗せておいて逃げるんじゃねえよ。
— 大貫剛(野生) (@ohnuki_tsuyoshi) June 22, 2013
やっぱりこれに尽きますよね。
同じ「自己責任」でも、チーム(パイロット含む)、顧問、テレビ局、これらをまとめてコンテストの主体としての「自己」とし、その上での「自己責任」を追及するべきではないかと思うのです。
健康を害された人がいちばん可哀相なのだから。
―― へのコメント。