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阿藤快さん死去で思い出すかつて共演した映画のこと
前略
あの日の自分を全力で叱ってやりたい!
の館長です。

■(cache)阿藤快さんが急死 自宅で亡くなっているのを家族が発見 - ライブドアニュース
阿藤快さんが亡くなったと聞いて、他の芸能人の方の訃報とは違った寂しさや後悔を今、感じています。
と言いますのも、僕は大昔、とあるVシネマで阿藤快(当時は阿藤海)さんと共演させていただいたことがあるからなのです。
失礼なことに、僕はその頃「阿藤海」という役者さんを全然知りませんでした。
今のようにネットも無かった頃なので、事前に共演の役者さんたちのことを調べてから撮影に臨むこともできず、どなたのことも知らないまま、恐れ多くもノコノコと撮影に出かけていきました。
忘れもしない、初めての撮影の日。
電車で目的地まで行ったのですが、かなり早朝だったので人もまばらな電車の中、ずーっと僕と同じ経路をたどる黒いロングコートを着たガタイの大きい不気味な人がいました。
僕は「なんだかなぁ」と思いながらも、なるべく見ないようにしてやり過ごし、電車が駅に停車するたび「頼む! ここでぶらり途中下車してくれー!」と祈るような気持ち。
緊張マックスで、僕はぶらり途中下痢の旅になりそうでした。
その人こそが、阿藤快さん。
そのときの僕の気持ち「なんだかなぁ」をのちにパクったんじゃないかと思ってしまっても無理はないと思う。
現場で紹介されるまで知らなかった僕は、完全に挨拶するタイミングを逸してしまい、それがあとあとまでコミュニケーションが円滑にいかない原因になったのでしょう。 すべては僕の浅学のせいでした。
さて、阿藤快さん。
その頃はまだ「教師びんびん物語」に出演する前で、近年のようなコミカルな味をまったく出していない頃でした。
ぱっと見、阿藤さんは怖かった。(ごめんなさい。 でもホント怖そうだった)
そして阿藤さん演じる役も怖かった。
おまけに僕の役どころは阿藤さんとは敵対してる側なので、待ち時間で二人っきりになっても私語など交わさず、常に緊張感みなぎっているような雰囲気。
正直、いつも僕は「誰か助けてー!」って思ってました。
撮影シーンも進み、僕は阿藤さん演じる怖い人に殴り倒されて終了。 そこで僕の出番はすべて終わりました。
有名俳優ならここで花束をスタッフから手渡されて「お疲れ様でしたー」なんて言われて笑顔を振りまいているところです。作り笑顔を。
が、当然そんなことはなく、僕は静かに現場をあとにするのでした。
誰に労われるでもなく、誰に見送られるでもなく、誰に帰っていいよと言われるでもなく……(じゃあ帰っちゃいかんだろ)。
そんなこんなで、僕は阿藤さんとの交流が無きに等しいまま撮影を終えてしまいました。
そのことが今でも非常に悔やまれます。
せめて阿藤さんが「教師びんびん物語」に出たあとだったら、僕のミーハー魂に火がついて、阿藤さんにすり寄ったりおもねったりこびへつらったりして(←ろくでもない)、お近づきになれたかもなぁ……なんて思ったりもしましたが、「教師びんびん」に出たあとなら、たぶんその映画には出なかったでしょうね。
今日、阿藤さんの訃報を聞き、改めてその作品のことを検索してみたら、阿藤さんの他にも、今やあちこちのドラマにひっぱりだこで、劇場映画の主演まで務めるほどになった役者さんも出演していたのが分かり、なんともMOTTAINAIことをしたもんだなぁ……という気持ちになりました。
せっかく何日間か仕事をともにし、一つの作品の完成という同じ目標に向かって努めたのですから、お歳暮くらい贈れる間柄になりたかった。 お歳暮かっ。
監督さんとはその後何年間かは年賀状のやり取りは続いたのですが、その監督さんものちにずいぶん偉くなられちゃったので、いつしか僕はただの “一ファン” に成り下がってしまいました。
でも、ひとときでも自分と関わった人たちが、その後に大活躍を見せてくれるのは大きな喜びでした。
僕がもうちょっとジジイになったら、酒場でテレビを指差しながら「あいつら、オレが育てたようなもんだよ」なんて、くだを巻く予定です。
その中に当然、阿藤快さんもいなきゃいけなかったんですが、あまりにいくのが早すぎます。
あの日の電車内のあなたの姿。
でっかい手で胸ぐらつかまれたときの力。
ロケ車の中での居心地悪い沈黙……。
全部忘れません。
安らかにお眠りください。

出会えただけで幸せだよね。
―― へのコメント。